株式会社アイキャッチは、三重県で印刷会社(DTP)とホームページ制作(WordPress)をしています。
今日のテーマは、学校案内を製作していて、ふと「学校案内はマーケティングツール」ではないか?と思ったので、そのことを書いてみます。
学校案内はマーケティングツールでした
季節柄、4月から6月は、公立高等学校の学校案内の仕事が豊富にある時期です。
1学期が終わって夏休みに入る前の時期から秋にかけて、高校が中学生(中学校)と父兄、保護者に対して学校説明会を開く時期だからというのが、その理由だと思われます。
ところで、例年、学校案内を製作するにあたって、思うことがあります。
それは、「あれも書きたい、これも書きたい、デザインを変えたい、」云々・・・・といったことを、毎回毎回毎回毎回言われます。
気持ちとしては、よくわかります。
もちろん、学校説明会で配布するわけなので、記載事項、内容において不足があってはいけませんし、最新のクラブ活動の活躍している写真を掲載したいという気持ちも分かります。
デザイン(彼らのいうところのデザインとは、グラフィックデザインのこと)を変えたいというのも、気持ちとしてはわかります。
しかし、「なぜ、それを書きたいのか?」「なぜ、デザインを変えたいのか?」考えてみたことはあるのでしょうか。
おそらく、「何となく」「去年と同じようなデザインでは区別がつかない」など、曖昧な回答が返ってくることが多いと思われます。
それでは、学校案内とは、何を盛り込めばいいのでしょうか?
学校案内とは、どのように作ればよいのでしょうか?
そこで、必要になる考え方、ヒントの一つが「学校案内とは、マーケティングツールである」という考え方です。
どのような学生に来てほしいのか?
まず、学校としては例え公立高校であったとしても、「どのような学生に受験してほしいのか?」ということがあると思います。
たとえば
(1)スポーツが盛んで、全国大会に出場したり、スポーツを活かして大学進学したり、又はプロアスリートになる学生が多く、そのための運動場、ジムなどの環境が整っている学校
(2)たいていの卒業生が、四年生大学に進学し、放課後の学習にも力を入れている、進学に重きを置いた学校
では、対象とする中学生は全く異なってくるのはおわかりいただけると思います。
便宜上、(1)をスポーツ校、(2)を進学校とよばせていただきます。
(1)のスポーツ校に生徒を集めたいのであれば、やはりスポーツをするための環境や、クラブ活動の成績、それに伴う写真などを中心に学校案内に掲載すると、それを見たスポーツの得意な中学生は、「より知りたい」と興味をもってくれるでしょう。
(2)の進学校に生徒を集めたいのであれば、進学先の詳しいデータを数年分掲載したり、どのように落ちこぼれを防ぐのか?といった学習バックアップ体制を紹介したりすると、将来4年制大学に進学したいと思う中学生は、「より知りたい」と興味を持ってくれるでしょう。
これらは、全体の方向性、重点を置く部分です。
そのうえで、コンテンツを作成します。
学校案内のコンテンツの作り方
まず、必ず掲載したい事項を羅列します。箇条書きでOKです。
そのうえで、グルーピングをします。
その時に気をつけたいことがあります。
学校側の視点でグルーピングするのではなく、対象者の視点でグルーピングします。
たとえば、「これは総務部のことだから、」とか「事務室のことだから」といって同じページに書くのではなく、
「生徒に訴えたいこと」「保護者に訴えたいこと」でグルーピングをする、ということです。
学校案内の作り方 スポーツ校の場合
たとえば、(1)のスポーツ校であれば、グラフィック(写真)に力を入れて、躍動感、力強さ、しなやかさなどを表現するなどして、構成を考えます。
さらに、就職先や進学先などのデータ、などは保護者向けにも必要となってきます。
この学校に入学して、卒業したらどのような未来が待っているのか?を具体的にイメージできるように作成します。
学校案内の作り方 進学校の場合
対して、進学校の場合はどうでしょうか。
もちろん、勉強に対するバックアップ体制、一日の過ごし方(モデル)、先輩の進学先(数年分)などは必要でしょう。
また、勉強ばかりではなく、部活動も充実していること等をアピールするのも良いかもしれません。
最近は、どちらのタイプの学校も、年に1回か2回、生徒と個別にカウンセリングを行って、生徒の進路の見直しを行っていたりするようです。
保護者にしてみれば、ドロップアウトを防ぐためにも生徒に寄り添っていることをアピールするのも安心感につながります。
ウェブサイト(ホームページ)との連携も
裏表紙には、必ずQRコードをつけましょう。
なぜなら、紙面は限られているため、あれもこれも載せたいと思っても充分な誌面を割いて載せることができないからです。
そのため、ホームページとの連携が必要になってきます。
最近の高校生はスマートフォンを持っていることも多いので、気になる学校のホームページはアクセスしてみてくれる可能性が高いです。
そこで、紙面以下のありきたりの内容しか載っていなかったとしたら、どうでしょうか。
がっかりすると思いませんか?
私のアイデアとしては、たとえば(1)のスポーツ校のばあいでいえば、
スポーツ環境、運動場、ジムなどをホームページで動画にして掲載する。(トレーニングしている状況を動画で見せる)
などすれば、より魅力的に学校について伝えられるのではないでしょうか。
(2)の進学校の場合では、例として入学時の成績が悪かったが、学校でどのように部活、勉強に取り組んだ結果、目的の4年制大学に合格できた、などの体験談を紙面では載せたりすると思いますが、ホームページでは、その先輩へのインタビュー動画などを掲載するということも考えられます。
いずれにせよ、予算と紙面が限られているのであれば、ウェブや動画を利用することで、制約が外れます。
また、こういったウェブにアクセスするためのきっかけとしての学校案内。
これが、マーケティングツールとしての学校案内の作り方です。
以上